「ハワイの入国審査は厳しいらしい」「英語で何を聞かれるのか不安」。初めてのハワイ旅行で、いちばん気が重いのがこの入国審査ではないでしょうか。 実際のところ、審査そのものの手順は決まっていて、流れを知っておけば必要以上に身構えることはありません。むしろつまずきやすいのは、ホノルル空港の到着動線や、ハワイならではの持ち込み・持ち出しのルールといった、審査の前後にある部分です。 この記事では、米国税関・国境警備局(CBP)やハワイ州、ダニエル・K・イノウエ国際空港の公式情報をもとに、到着からロビーに出るまでの流れ、必要書類とビザの考え方、審査で聞かれる質問を整理しました。あわせて、MPCアプリの実際の条件、動植物と税関の申告ルール、日本へ帰る際の手続きも扱います。 情報はすべて2026年8月時点で公式サイトを確認したものです。出発前のチェックリストとして使ってください。
目次

ハワイの入国審査は、アメリカ本土に入るときと同じ米国税関・国境警備局(CBP)の手続きです。飛行機を降りてから到着ロビーに出るまでの順番は決まっていて、初めてでも迷うことはほとんどありません。
ただしホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港には、ターミナルが3つあること、離島行きの便が別ターミナルから出ることなど、ハワイならではの動線があります。まずは次の4点を押さえておきましょう。
飛行機を降りたら、案内表示に従って入国審査の場所(プライマリー・インスペクション)へ向かいます。CBPは「米国に到着した渡航者は、国籍を問わず、原則として入国地のプライマリーと呼ばれる場所に出頭して審査を受けなければならない」と説明しています。ここで審査官が、本人確認、国籍、米国に入国する資格があるか、携行する物品が禁止品または課税対象にあたらないかを確認します。
現在のホノルル空港では、Simplified Arrival(シンプリファイド・アライバル)という顔認証を使った確認が導入されています。ハワイ州運輸局(HDOT)の2021年の発表によると、システムが撮影した顔写真をパスポート写真などの登録済み画像と照合する仕組みで、照合は数秒で終わり、精度は98パーセントを超えるとされています。過去に渡米したことのある外国人の場合、この仕組みによって指紋の採取が不要になることもあると案内されています。照合できなかった場合は、DHSが公開しているSimplified Arrivalの評価書によると、パスポートのICチップを読み取って記載情報を取得する方法に切り替わります。
審査が終わったら、預けた手荷物を受け取り、税関検査を通って到着ロビーへ出ます。アメリカの入国審査全体で共通する手順や審査官の一般的な質問傾向については、次の記事で詳しく解説しています。
関連記事:【2026年最新】アメリカ入国審査の流れ|質問例・必要書類・注意点
どのターミナルを使うかは、航空会社によって変わります。空港公式のカウンター一覧では、日本航空はターミナル2のロビー5、ANA/エアージャパンはターミナル2のロビー8、ハワイアン航空はターミナル1のロビー2・3・4です。
到着後の動線は階層で覚えると分かりやすくなります。空港公式によると、ターミナル1と2の到着は2階(G7〜G10ゲートとターミナル3は1階)で、バゲージクレームはすべてのターミナルの1階にあります。案内表示に従って階を降りると、自分の便の荷物受取所にたどり着けます。
空港公式によると、バゲージクレームには植物検疫の検査官が常駐し、すべての農産物を検査しています。エスカレーターを降りたところには、申告したくない農産物を捨てるためのアムネスティ・ビン(放棄用の箱)も置かれています。
マウイ島・ハワイ島・カウアイ島などのネイバーアイランドへ向かう場合も、入国審査と税関検査はホノルルで済ませます。空港公式によると、ホノルル空港は米国の指定入国地(Port of Entry)で、国際線で到着した旅客に対して連邦機関が検査を行います。島間路線への乗り継ぎは、その手続きを終えたあとです。
島間路線を運航するハワイアン航空のカウンターはターミナル1にあります。ターミナル2で入国手続きを終えた場合は、ターミナル間を移動することになります。空港公式によると、ターミナル間はウィキウィキバスで結ばれており、道路階を走るバスはターミナル1・2・3とスカイライン鉄道駅の間を毎日3時から23時45分まで運行しています。ターミナル1と2の3階から乗れるバスは6時から23時30分まで、オープンエアの電気トラムは10時から18時までの運行です。
なお、乗り継ぎに最低何時間必要かという数値は、空港公式では示されていません。入国審査の混雑状況によって所要時間は変わるため、乗り継ぎ時間は利用する航空会社の規定と案内を確認してください。到着後の島めぐりを考えている方は、島ごとの見どころをまとめた記事も参考になります。
関連記事:【2026年】ハワイ観光おすすめスポット30選|定番・穴場・グルメまで網羅
入国審査の待ち時間は、CBPが空港別に公開しています。公式サイト(awt.cbp.gov)で確認できるので、出発前に自分の到着時間帯を見ておくと予定を立てやすくなります。
ホノルル空港では、2025年8月19日から米国市民を対象としたEnhanced Passenger Processing(EPP)が始まりました。HDOTの2025年8月18日の発表では、この仕組みによって米国市民の待ち時間は平均25パーセント、処理時間は74パーセント短縮されたとしています。ただしこれは、HNLでの稼働開始前に公表された、先行導入空港を含むEPP全体の効果を示す数値です。日本からの旅行者の待ち時間を示す公式の数値ではありません。
「30分程度」といった目安を書いているサイトもありますが、到着便が重なる時間帯かどうかで状況は大きく変わります。乗り継ぎや送迎の予定は、待ち時間に余裕を持たせて組んでおくのが安全です。
ハワイはアメリカの一州なので、入国に必要な書類はアメリカ本土に行く場合と同じです。「ハワイ ビザ」と検索すると情報が錯綜しがちですが、押さえるべき点は多くありません。
まず必須なのがICチップ入りのパスポートです。CBPは「ビザ免除プログラム(VWP)を利用するにはe-Passport(ICパスポート)が必要」と明記しています。CBPは「e-Passportは表紙に固有の国際シンボルが付いているので、すぐに見分けられる」と案内しています。出発前に確認しておきましょう。
次に必要なのがESTA(電子渡航認証)の承認です。CBPは「ビザ免除プログラムで一時的な商用または観光の目的で渡米する人は、米国行きの航空機・船舶に搭乗する前、または陸路の入国地で入国を求める前に、ESTAによる承認を受けなければならない」としています。渡航前に必ず取得しておきましょう。
このほか、復路または第三国行きの航空券の控え、滞在先のホテル名と住所は、審査官の質問に答えるために手元に用意しておくと安心です。機内でスマートフォンが使えないこともあるため、紙に印刷しておくか、オフラインでも開けるようにしておくとより確実です。
日本国籍の方が観光や短期の商用でハワイを訪れる場合、ビザは必要ありません。CBPによると、ビザ免除プログラムは42か国の国民を対象に、商用または観光目的で最長90日間の滞在をビザなしで認める制度です。
ESTAはビザではありません。CBPはESTAを「ビザ免除プログラムのもとで渡航する資格があるかどうかを判定する自動システム」と説明しています。CBPは「ESTAの承認は通常、承認日から2年間、またはパスポートの有効期限のいずれか早い方まで、複数回の渡航に有効」としています。期間内であれば再申請は不要です。
ESTAの申請手順や料金、有効期限の細かい注意点は、次の記事にまとめています。
関連記事:ESTAとは?アメリカ渡航に必須の電子渡航認証を基礎から解説【2026年版】
見落としやすいのが、ESTAが承認されていても入国が確約されるわけではないという点です。CBPは「ESTAによる承認は、渡航者が米国に入国できるかどうかを決めるものではない。入国の可否は到着時にCBPの審査官が判断する」と明記しています。
もうひとつ知っておきたいのが、入国記録の電子化です。CBPは「外国からの渡航者は紙の様式I-94(出入国記録)を記入する必要はなくなった」としており、入国記録は電子的な渡航記録から自動的に収集されています。滞在資格を証明する必要があるときは、CBPのI-94ウェブサイトやCBP Linkアプリから自分の記録を確認・印刷できます。
つまり、パスポートにスタンプが押されたかどうかにかかわらず、記録は電子的に残っているということです。
審査官とのやり取りで確認される項目は、制度上決まっています。目的・期間・滞在先の3点を落ち着いて答えられれば、多くの場合それで終わります。
CBPは、一次審査で確認するのは「本人確認、国籍、米国に入国する資格があるか、携行する物品が禁止品または課税対象にあたらないか」だと公表しています。税関申告書(Form 6059B)についても、連邦官報の告知に「米国に到着する各人の身元と居所を報告する標準の様式であり、輸入される物品の申告にも用いる」と記されています。
審査官とのやり取りで実際に答えることになるのは、主に次の4点です。英語の言い回しは審査官によって変わるため、下表の質問例は一例と考えてください。長い文で説明しようとせず、短い単語や句で答えて構いません。
審査官が確認すること | 英語の質問例 | 答え方のポイント |
|---|---|---|
渡航目的(商用か観光か) | What's the purpose of your visit? | Sightseeing.(観光)など、目的を一言で |
滞在期間(ビザ免除は90日以内) | How long will you stay? | For five days. のように日数で |
米国内の滞在先 | Where are you staying? | ホテル名とワイキキなどの地名 |
申告する物品の有無 | Do you have anything to declare? | 申告するものがなければNo. |
質問パターンごとの詳しい英語フレーズや回答例は、次の記事にまとめています。
関連記事:入国審査で聞かれることは?質問内容・英語フレーズ・回答例を徹底解説
英語に自信がなくても、事前の準備でカバーできる部分は多くあります。後述するMPCアプリは、2024年12月にハワイ州知事が日本語と韓国語での提供開始を発表しており、日本語の画面で申告内容を入力できます。
税関申告書(CBP Form 6059B)についても、連邦官報に掲載された2026年5月6日付の告知に、この様式が日本語を含む17言語で用意されていると記載されています。紙の様式を渡された場合でも、日本語の様式が用意されています。
そのうえで、ホテルの予約確認書と復路の航空券の控えを紙で持っておくと、言葉に詰まったときに提示するだけで意思を伝えられます。
小さな子どもを連れていると、審査ブースに一人ずつ進むこと自体が負担になります。CBPのMPCは1台の端末から最大12人までまとめて申告でき、グループで一緒に審査官と話せる仕組みです。
CBP自身も、MPCを使う理由のひとつとして「子ども連れの保護者にとって、これは良い選択肢です」と案内しています。家族全員分を代表者の端末で登録しておけば、列で分かれる心配がありません。
なお、CBPは「同伴・単独を問わず、ビザ免除国の国籍を持つ子どもは、年齢にかかわらず本人のESTA承認を渡航前に得る必要がある」と案内しています。「親の旅券に併記されている子どもはESTAの対象にならず、本人名義の有効な旅券が必要」との記載もあります。パスポートとESTAは、子どもの分も含めて全員それぞれに必要です。

ホノルル空港での審査を短縮する手段として、MPC(Mobile Passport Control)というCBP公式の無料アプリがあります。一方で、かつて空港に置かれていたAPC(自動入国審査端末)は状況が変わりました。記事によって書かれていることが食い違いやすい部分なので、公式情報で整理します。
MPCは、パスポート情報と税関申告の内容をスマートフォンから事前に送信し、専用レーンで審査官と手続きを完了させる仕組みです。CBP公式の対応拠点一覧(2026年9月時点)は63拠点を挙げており、その中にホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港(HNL)が含まれています。
送信のタイミングにも決まりがあります。CBPによると、航空の場合は着陸の4時間前から自撮り写真と質問への回答を送信でき、送信内容は4時間有効です。送信を済ませておくと、到着エリアで案内表示のあるMPC専用レーンに並び、審査官と手続きを終える流れになります。
CBPは「MPCを使えば紙の申告書に記入する必要はない」と説明する一方で、「MPCはパスポートの代わりにはならず、ビザ免除プログラム渡航者のESTAなど必要な渡航書類の代替にもならない」と注意しています。アプリを入れたからといって、書類の準備が省けるわけではありません。
MPCには対象者の条件があります。CBP公式は利用できる人を「米国市民、米国永住者、カナダのB1/B2訪問者、そして承認済みESTAを持つ再訪のビザ免除プログラム渡航者」と記載しています。
さらに具体的なのが連邦官報の記述です。2026年5月6日付の告知には「APCプログラムの終了に伴い、米国永住者およびビザ免除プログラム対象国からの訪問者で、2回目の渡米となる人がMPCの対象に含まれる」と書かれています。ESTAで初めて渡米する方は、MPCを使えません。
ただし同じ告知には、CBPがMPCの対象をビザ免除の非移民やビザを持つ非移民へ拡大していく方針も記されています。条件は変わりうるので、渡航前にCBP公式で最新の記載を確認してください。
「MPCとAPCのどちらを使うべきか」という比較を見かけますが、APC端末はすでに使われていません。HDOTは、CBPの顔認証によるSimplified ArrivalがホノルルのAPCキオスクを置き換えると発表しており、前述の連邦官報にも「APCプログラムの終了」と明記されています。
そのため現在の選択肢は、MPCを使って専用レーンに進むか、通常のレーンで審査を受けるかの2つです。端末の前で操作に迷う場面はなくなりました。DHSの評価書によると、顔写真の撮影は入国審査ブース(プライマリー)で審査官が行い、照合が成立するとその審査官がそのまま残りの手続きを進めます。
ここで注意したいのが、顔認証を辞退できるかどうかです。辞退できるのは米国市民に限られます。CBPは最終規則の発表で「米国市民は本規則の対象ではなく、顔認証による確認を辞退したい場合は、CBP審査官または航空会社の係員に申し出て、パスポートによる手作業の確認を受けられる」と案内しています。
一方、日本国籍を含む外国人の扱いは異なります。2025年12月26日に施行された連邦規則「Collection of Biometric Data From Aliens Upon Entry to and Departure From the United States」は、「すべての外国人に対し、米国への入国時および出国時に写真の撮影を求めることができる」と定めています。14歳未満・79歳超といった従来の免除も撤廃されました。同規則は「本人確認等のためにCBPがこの情報を必要とする場合、写真撮影の要求に応じないことは、入国不許可の判断や、在留資格の条件違反の判断につながることがある」としています。
つまり日本から旅行で訪れる方は、顔写真の撮影を辞退できる前提で考えないでください。
前述のとおり、MPCは1台の端末から最大12人まで登録できます。代表者の端末に全員分のパスポート情報を読み込ませておけば、当日はまとめて手続きを進められます。
ひとつ注意したいのが、税関申告の扱いです。CBPは「MPCで入国するたびに、税関申告の質問には毎回回答する必要がある」としています。前回の内容は引き継がれないため、渡航のたびに入力が必要です。
MPCの送信は前述のとおり着陸前から可能ですが、実際には到着間際や着陸直後に操作する方が多いはずです。ここで効いてくるのが通信手段の準備です。
ホノルル空港は広告付きの無料Wi-Fiを提供しており(より速い回線が必要な場合は有料のBoingoも選べます)、Wi-Fiがなければ手続きできないわけではありません。ただし、到着直後は空港のWi-Fiに接続する手順を挟むことになりますし、家族の端末を一台ずつつなぐとそれなりに時間を取られます。
出発前にeSIMをインストールしておけば、現地の電波をつかんだ時点から自分の回線が使えます。トリファのeSIMもアプリから購入・インストールでき、購入から利用開始までの目安は最短3分です。
関連記事:ハワイのSIMはeSIM一択!おすすめ5社を徹底比較【2026年最新版】
ハワイの申告ルールは、アメリカ共通のものと、ハワイ州独自のものが重なっています。さらに帰国時には日本側の検疫も関わってくるため、行きと帰りの両方向で確認しておくと安心です。
CBPは「米国に入国するすべての渡航者は、携行する肉類・果物・野菜・植物・種子・土壌・動物、および植物・動物由来製品を申告しなければならない」と定めています。この申告は預け荷物・機内持ち込み荷物のどちらも対象です。
判断に迷いやすいものを整理すると、次のようになります。
品目 | 米国入国時の扱い |
|---|---|
肉類・肉のエキスを含む加工品 | 生・乾燥のほか一部の缶詰も含め、多くが持ち込み禁止。肉が原材料に含まれる製品(ビーフブイヨンなど)も通常は禁止 |
生の果物・野菜 | 原産国により可否が分かれる。必ず申告して検査を受ける |
植物・種子・苗 | 栽培目的の植物や植物の部位は事前の検査証明書が必要 |
土 | 事前の許可なしには一切持ち込めない |
装飾用のビーチサンド | 少量であれば通常は問題ない |
農場や家畜に近づいた経験がある場合も申告対象で、靴や荷物の検査を求められることがあります。
ハワイには、州として独自の農業申告制度があります。州が運営するAkamai Arrivalのサイトには「本土からハワイへ向かうすべての到着便について、州法によりこの農業申告書の記入が義務づけられている」と明記されています。
ただし空港公式は出発地を限定せず、「ハワイ州農務省は、植物・動物・農業関連の物品を持って到着する旅客に対し、機内で配布される農業申告書での申告を求めている」と記載しています。対象範囲の書き方が、両者で異なります。日本からの直行便で到着する場合は、CBPの税関申告を行ったうえで、機内で農業申告書が配られたら記入してください。本土を経由してハワイに入る場合は、州の申告書の記入が必要です。
申告書は家族単位で構いません。州のサイトには「家族のうち成人1名が、他の家族分もまとめて記入できる」と記載されています。
持ち出す側にも検査があります。ハワイ州農業・バイオセキュリティ局によると、ハワイから米国本土へ植物を持ち出す場合は連邦のUSDAが規制しており、検査ステーションは航空会社のチェックインカウンターの前に設置されています。開設時間はチェックインカウンターと同じで、通常は出発の2時間前からです。自分が使う航空会社のカウンター前の検査ステーションを通る必要があります。
日本へ持ち帰る場合は、日本側の規制がかかります。農林水産省の植物防疫所はハワイを独立した区分として扱っており、2026年8月時点の一覧では次のようになっています。
ハワイからのおみやげ | 日本への持ち込み |
|---|---|
パパイヤ・マンゴウ・グアバ・バナナ・りんご・かんきつ類 | 持ち込めません |
パインアップル・ココヤシ | 検査証明書および入国時の検査が必要 |
ラン・ドラセナ(切り花) | 検査証明書および入国時の検査が必要 |
マカダミアナッツ(乾燥) | 入国時の検査が必要 |
緑茶・紅茶・中国茶 | 検査なしで持ち込めます |
土は、すべての国・地域から持ち込みができません。土が付着した植物も同様です。
肉製品にも注意が必要です。動物検疫所は「アメリカ(ハワイ、グアム、サイパンを含む)、カナダで販売されているビーフジャーキーなどの牛肉加工製品は、牛肉の輸入再開後も引き続き輸入停止」と案内しています。おみやげの定番ですが、日本へは持ち帰れません。
「税関申告書は廃止された」と書かれた記事もありますが、廃止はされていません。2026年5月6日付の連邦官報には、書面での申告が必要な場合にForm 6059Bを用いると規定されていること、一定の条件下では口頭での申告も認められることが記載されています。そのうえで「CBPはいつでも書面での申告を求めることができる」とも明記されています。
同時に、MPCの普及によって運用は変わっています。同じ告知は「MPCは、多くの場合、渡航者が紙の申告書に記入する必要をなくす」「紙の様式に記入することなくForm 6059Bの質問に電子的に回答する方法を提供する」と説明しています。
まとめると、紙の様式は制度として残っており、機内や空港で渡された場合は記入します。MPCを使って電子的に申告した場合は、紙の記入は不要になるという整理です。
現金の申告基準は「1万ドル以上」ではなく「1万ドルを超える場合」です。CBPは「米国に入国または出国する際、1万ドルを超える金額を申告しなければならないと連邦法が定めている」と明記しています。
見落としやすいのが家族単位の考え方です。CBPは「家族やグループの場合、1万ドルの基準は個人ごとではなく、まとめて携行または送付している合計額に適用される」としています。一人ひとりは1万ドル以下でも、家族の合計が超えていれば申告が必要です。
申告の対象になるのは紙幣や硬貨だけではありません。CBPは対象になる「通貨性の証券」として、あらゆる形態のトラベラーズチェックや、無記名式・無制限に裏書きされた小切手・約束手形・マネーオーダーなどを挙げています。一方、記名式で裏書きのないもの、限定的な裏書きのあるものは通常この対象になりません。申告はFinCEN Form 105で行い、MPCを使う場合はアプリから電子的に提出できます。
申告しなかった場合の扱いは、対象によって異なります。CBPは農産物について「申告した禁止品は放棄すれば旅行を続けられるが、申告しなかった禁止品は没収され、申告義務違反として民事制裁金の対象になりうる」としています。制裁金の額については「非商業的な数量の初犯で最大1,000ドル」との記載があります。
ハワイ州の農業申告書についてはさらに重い規定があります。州のサイトには、虚偽の記載や申告漏れはハワイ州改正法第150A章の違反にあたり、場合により最大2万5,000ドルの罰金および/または1年以下の拘禁刑が科されうると記載されています。蛇などの禁止品を故意に持ち込んだ場合は、最大20万ドルの罰金および/または5年以下の拘禁刑となるケースもあります。
日本側でも同様です。動物検疫所は、畜産物を違法に持ち込んだ場合、300万円以下(法人は5,000万円以下)の罰金または3年以下の拘禁刑が科されると案内しています。判断に迷ったら、隠さず申告して検査を受けるのが確実です。
「別室に呼ばれた」「入国拒否された」といった体験談を読んで不安になる方は少なくありません。実際にどの程度起きているのか、公式に公開されている数字とポリシーで確認しておきましょう。
別室での審査は、正式には二次審査(セカンダリー・インスペクション)と呼ばれます。CBPは「一次審査の審査官は、不正の疑いの有無にかかわらず、渡航者を二次審査へ回す広い裁量を持つ」と説明しています。
回される理由として挙げられているのは、提示された書類や情報の確認、行政上の在留資格に関する確認、法令違反に関する照会、無作為抽出、審査官がさらに確認が必要と判断した場合などです。無作為抽出が明記されている点は知っておくとよいでしょう。
規模も公開されています。CBPによると、2025会計年度に入国地で処理した渡航者4億1,900万人のうち、二次審査に回されたのは1,161万2,366人(3パーセント)でした。珍しい手続きではありません。
電子機器の検査についても、CBPは公式ポリシーを公開しています。検査は「ベーシック」と「アドバンスト」に分かれ、ベーシックは外部機器を使わずに審査官が端末の内容を確認するもの、アドバンストは機器を接続して内容を複製・解析するものと定義されています。アドバンストの実施には、CBPが所管する法令違反または国家安全保障上の懸念に関する合理的な疑いと、上級管理職の事前承認が必要とされています。
頻度も公表されています。2025会計年度に電子機器の検査を受けたのは55,318人で、CBPはこれを「入国地で対応した到着国際旅客の0.01パーセント未満」「二次審査のおよそ0.47パーセント」と説明しています。このうち92パーセントはベーシックな検査でした。
検査の方法にも決まりがあります。CBPは「検査の前に、渡航者に機内モードにするなどネットワーク接続を切るよう求めるか、審査官自身が接続を切る」としており、端末に保存されていない遠隔のデータは対象にしないと明記しています。一方でCBPは「パスコードや暗号化などの保護によって端末を検査できない場合、その端末は持ち込み拒否・留置などの措置の対象になりうる」としています。あわせて「渡航者はCBPが端末の内容にアクセスできるようにするため、より長い処理時間を要することがある」とも記載しています。
性別や同行者の有無といった属性によって審査の扱いが変わるという規定は、CBPの公表資料を検索した範囲では確認できませんでした(2026年8月29日時点)。CBPが公表しているのは、入国の可否は到着時に審査官が判断するという原則です。加えてCBPは差別禁止のポリシーで「法執行・捜査・スクリーニングの活動において、ごく例外的な場合を除き、人種や民族を考慮することを禁止する」と定めています。ただし国籍を審査の要素として用いることは、このポリシーの制限を受けないと明記されています。
「女性の単身渡航は不利になる」といった説明は体験談に基づくもので、制度上の根拠があるわけではありません。実務的な備えは、属性を問わず同じです。滞在先や復路の予定、滞在中の費用を聞かれたら、すぐ答えられるようにしておきましょう。
子ども連れの場合は、前述のとおりMPCで家族分をまとめて登録しておくと、当日の負担が減ります。短期の就学を予定している方は注意が必要です。米国務省は、訪問者としての渡航で認められるのは学位や修了証につながらないレクリエーション目的の短期講座に限られると説明しており、学位や修了証につながる就学は短期滞在の枠では認められません。語学学校のコースがどちらに当たるかは、申し込む学校に事前に確認してください。
前述のとおり、ESTAの承認は入国の保証ではなく、可否を決めるのは到着時の審査官です。入国資格そのものに疑いが生じる状況を作らないことが基本になります。
公式に確認できるのは、ビザ免除プログラムで認められるのが商用または観光での90日以内の滞在であること、そして農産物の未申告は没収と民事制裁金の対象になることです。裏を返せば、渡航目的がこの範囲から外れていると受け取られる説明をしないこと、滞在先や復路の予定を答えられる状態にしておくこと、申告で虚偽を述べないことが備えになります。
わからないことを聞かれたときは、推測で答えず「わかりません」と伝えるほうが安全です。事実と違う説明をしてしまうと、そのあとの確認に時間がかかります。
日本へ戻るときの手続きも、事前に済ませておけます。税関によると、Visit Japan Webで「携帯品・別送品申告書」の情報を含む二次元コードを作成しておけば、空港の電子申告端末で手続きを行い、電子申告ゲートを立ち止まらずに通過できます。
電子申告ゲートが設置されているのは、新千歳空港・成田国際空港・羽田空港・中部国際空港・関西国際空港・福岡空港・那覇空港の7空港です(令和7年4月時点)。端末では二次元コードとICパスポートを読み取らせ、その場で顔写真を撮影してパスポートのICチップの顔画像と照合します。撮影した顔写真は本人確認とゲート通過時の顔認証に使われ、使用後は速やかに削除されると案内されています。
おみやげについては、前述の植物防疫所と動物検疫所のルールに沿って荷造りしておきましょう。持ち帰れないものを買ってしまうと、空港で放棄することになります。

ここまで見てきたとおり、ハワイの入国審査でつまずきやすいのは審査そのものよりも、準備と申告の部分です。最後に、出発前に確認しておきたいことを整理します。
出発前のチェックリストとして、次の項目を確認してください。
このうち、当日いちばん差が出るのが通信手段です。MPCの送信も、宿泊先の確認も、迎えの車との連絡も、着いてすぐネットにつながるかどうかで進み方が変わります。
トリファは、アプリダウンロード数No.1の海外eSIMアプリです。ハワイを含む200以上の国と地域に対応しており、渡航先とプランを選んでアプリから購入すると、そのままインストールに進めます。
出発前に設定を済ませておけば、ホノルル到着後に現地の電波をつかんだ時点から通信が始まります。空港のWi-Fiを探して接続する手順を挟まずに済むので、MPCの送信や家族との合流もスムーズです。テザリングにも対応しているため(プランにより可否が異なります)、家族のうち1人が契約して共有する使い方もできます。
初めてのハワイでも、通信の不安がなければ入国後の行動に集中できます。渡航前の準備リストに、eSIMの用意も加えておいてください。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。
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